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やってみたい!試してみたい!が叶う場所で、子どもが“夢中”になる。ベネッセサイエンス教室の魅力

本格的な実験器具がずらりと並ぶ「ベネッセサイエンス教室」。通っているのは、未就学児から小学生までのお子さんです。

「ここで身に付くのは知識や技能だけではなく、“自分で考える力”なんです」

そう話すのは、ベネッセサイエンス教室マーチャンダイザー(コンテンツ責任者)、並木大。それぞれの発達段階に合わせた学年別カリキュラムや教材が用意されており、お子さんが夢中になって学べる環境が整っています。これまでに教室運営や教材開発にも関わってこられた並木に、「ベネッセサイエンス教室(以下、サイエンス教室)」の特徴やお子さんの変化について聞きました。

お子さんの「やってみたい!」ができる環境

まずは、サイエンス教室の特徴について教えてください。

科学の知識や技能を身に付けてもらうこと以上に、お子さんの自由な発想を引き出すような環境づくりを大切にしています。お子さんが主役で、先生はあくまでサポート役です。お子さんからの「これを試してみたい」という意見を実際に試してみる中で、だんだんと答えに近づいていく。そのプロセスを繰り返していくことで、分で考える習慣が身に付いていきます。 

自由な発想を引き出す環境づくりとは、具体的にどのようなことをしているのでしょうか。

一つ一つの授業にはすべて先生向けの指導書が用意されていて、お子さんへの問いかけの内容やその意図が書かれています。先生には必ず指導書を読み込んだ上で授業をしてもらいます。お子さんからどのような意見が出るかはこちらである程度予想しておいて、試したいことができるような環境をつくっておくようにしています。その日の課題に対して「輪ゴムを使いたい」という意見が出そうであれば、事前に輪ゴムを用意しておくような感じです。

ただ、いくら準備をしておいても、毎年お子さんからは想定外の意見がたくさん出てくるものです。そうなったとしても、お子さんの意見を尊重するようにしています。
例えば、ボールの重さを比べる方法を考える課題に対して、「滑り台で転がしてみる」という意見が出たことがありました。滑り台の代わりとして長い板があれば良いのですが、そのときは用意していなかったんです。そういうときは、別のスタッフに頼んで買ってきてもらいました。

お子さんから出た意見は、とにかくやってみる。先生が答えを教えるよりも、自分で試してみた方が知識としても残るものだと思います。臨機応変に動く必要があるので先生は大変だと思いますが、それをやりがいにしてくれている人は多いですね。何が起こるかわからないところは難しさであり、面白さでもあります。

そこまでして、“試せる環境”をつくるのですね。

そうですね。ただ、どうしてもお子さんの意見の通りに試せないことはあります。例えば、ある物をできるだけ温める方法を考える場面がありました。そのときに、お子さんから「太陽に近づける」という意見が出たんです。実際に太陽に物を近づけることはできませんよね。それはお子さんもわかっていることです。そうだとしても、「それは無理だよ」と言って終わらせるのではなく、一番火力の強い道具を持ってきて、「これでやってみない?」と提案します。なので、お子さんの意見に100%応えることはできませんが、できるだけ寄り添うかたちで提案することは意識的にやっています。「それはできないよ」と否定してしまうと、お子さんから自由な発想は出てきづらくなってしまいます。

授業を担当している先生は、どのような方なのでしょうか。

理系大学出身であることが先生の要件にはなっていますが、科学にとても詳しい人が良い先生なのかというと、必ずしもそうではありません。先生には、子どもが自分の考えを出せるように導いていく力が求められます。なので、子どもとのやり取りを楽しんだり、子どもが夢中になっている姿を見ることが好きな先生は多いですね。 

逆に理系知識が豊富で教えるのが上手な先生は、苦戦するかもしれません。
先生が答えを教えてしまうと、「きっと先生が言ってくれるだろう」と思って、子どもは自分の意見を言わなくなってしまいます。 ぐっと子供が意見をいうまでこらえる瞬間が必要で、私も最初は苦戦しました。 

「なぜだろう?」を日常生活にも広げていく

サイエンス教室では、どのような教材を使っているのでしょうか。

一番大切にしているのは、安全性の担保です。その上で、子どもが夢中になり、家に持ち帰った後も手を加えたくなるような自由度の高い教材を開発しています。 

例えば、小型の自動車模型を作る教材だと、輪ゴムの太さを変えられるようにしたり、中の仕組みが見えるような作りにしたりしています。そうすると、タイヤとゴムの動きから車が走る仕組みを観察できますよね。市販の教材であれば、作る過程や完成品が一つの決まった形になってしまうので、そこはオリジナル教材だからできることではないかなと思っています。

授業が終わった後も、さらに考えたくなるような教材になっているのですね。

そうですね。例えば、年長の授業でやる「種の冒険」では、種の仕組みについて学びます。授業の中では「野菜や果物の種は真ん中にあるよね」という話をして、「それってなぜなんだろう?」と考えていきます。「動物が食べて遠くに運んでいくためかな?」など意見が出るのですが、そこで終わらせることはしません。

最後にいくつか種のクイズをして、お子さんには自分で見つけた種のクイズを作ってきてもらう課題を出します。小さいカードの表に種を貼って、裏に3つのヒントを書いてきてもらうような感じです。そうすると、お子さんはいちごの種が真ん中についていないことに気づいたり、普段はなかなか見ることがない野菜の種を持ってきたりします。先生が答えられなそうなクイズを一生懸命考えてきてくれるんですよね。それを持ってきてもらって、さらに種の仕組みについて深く学んでいきます。 

家で取り組む課題もあるのですね。保護者の方と一緒に取り組んでもらうのでしょうか?

お子さんの年齢が低いほど、やはり保護者の方のサポートは必要になります。ただ、お忙しい方もいらっしゃるので、なるべく負担がかからないような工夫をしています。種のクイズを考える課題であれば、「家に帰るまでに1つでも良いから種を探してみてね」「今日の夜ご飯の中で種を探してみてね」などと伝えることで、日常生活の中で課題に取り組めるようにしています。 

また、教材によっては文章で保護者の方へのインフォメーションをお渡ししています。そこには、ご自宅での取り組みの提案や課題のヒントになるような情報を載せています。

授業だけではなく、日常生活の中でも科学に興味を持つきっかけになりそうですね。

そうですね。むしろ自然科学は日常生活の中に溢れているんです。私たちが当たり前だと思っていることの中にも不思議なことはたくさんある。日常生活は「なぜ?」と考えたくなるようなことばかりなんです。そこに興味を持ってもらえるように、教材や授業構成を工夫しています。 

知らないことを面白がり、解決していく力を

サイエンス教室には、どのようなお子さんが通われているのでしょうか。

知的好奇心があるお子さんは多いですね。新しいものを見たら、「触ってみたい」「試してみたい」と思う気持ちが強い。初めてサイエンス教室に来られる方の中には、「うちの子は落ち着きがないのですが、大丈夫でしょうか?」と心配される保護者の方もおられます。ただ、そういうお子さんは、やりたいことが見つかれば夢中になって取り組みます。「いつもは走り回って大変なのに、サイエンス教室ではすごい集中していますね」と驚かれることはよくあります。

逆に、一見すると大人しそうなお子さんもいます。自分の意見がなかなか言えないことを心配される保護者の方もおられるのですが、サイエンス教室は1テーブル4〜6人のお子さんに対して、1人のアシスタント講師がついています。なので、不安なことや気になることがあったらすぐに近くにいるアシスタント講師に質問できます。最初はほとんど発言しなかったお子さんも、半年から1年くらい経つと手を挙げて発表したり授業後に質問したりと、ガラッと雰囲気が変わるお子さんは多いですね

その要因は、やはり承認される体験にあるのではないかなと思います。大人からすると突拍子もないことでも、サイエンス教室では真剣に受け止めます。自分が言ったことを受け止めてもらえたり、「やってみたい」と言ったことが実際にできたりすると、成功体験が蓄積されていきます。それによって、お子さんはどんどん自信をつけていくんです。

サイエンス教室で育まれるのは、どのような力なのでしょうか。

世の中は知らないことで溢れていますよね。受験でもそうですが、知らない問題に直面することは当たり前なんです。サイエンス教室に通っているお子さんは、知らないことに対して自分なりの答えを持ち、試行錯誤しながら答えを探っていく習慣が身についています。「解けない」「わからない」と言って諦めるのではなく、知らないことを面白がれる。 

高学年になってくると、私たちが必要以上のサポートをしなくても自分である程度の仮説を立てて、使う道具も自分たちで用意できるようになります。授業で扱っていないことでも自分から調べてきて、「先生、これ知ってる?」と聞いてくるお子さんもいますね。そこまでいくと、自分で問題を解決していくサイクルが回せるようになっていると思います。

目指すのは、“楽しい”の先にあるもの

並木さんご自身は、どのような場面でやりがいを感じますか?

授業を終えた後にお子さんが「家でこれをやってみよう!」と保護者の方に話している様子を見ると、いろんなことを試してみたいスイッチが入ったんだなぁと嬉しくなりますね。逆に「わかりやすくて楽しかった!」という感想を聞くと、「あぁ、楽しかったで終わってしまったか…」と反省します。 

教材を作る立場としては、楽しいことは当たり前なんです。「楽しい」の先に、日常生活での学びや興味関心の広がりにつながっていくような教材を作っていかなければいけないと思っています。そこは、自分自身のアンテナとして外してはいけないところだなと思っています。

最後に、サイエンス教室に興味を持たれている方へメッセージをいただけますか。

私自身、先輩たちから言われ続けてきたのが「テーマパークとは違う付加価値をつけなければいけない」という話でした。サイエンス教室に月1回通うのは、テーマパークに1回いくよりも料金が高いんです。テーマパークはエンターテイメントなので、そこよりも楽しい場にしようと思うと、うちは勝てないわけです。そうなると、別のところに価値を感じてもらわなくてはいけません。楽しいだけではなく、家に帰ってからもおうちの方と教室で学んだ内容のやり取りをしたり、普段ゲームばかりやっていたのが別のことにも興味を持つようになったりと、何かしらの変化を感じてもらえるようなアプローチは模索し続けています。

「落ち着きがなくて…」「自信を持てなくて…」とお子さんに対して気になることがある方でも、まずはサイエンス教室に足を運んでもらえると嬉しいです。1人1台の実験器具が用意されていますし、集団授業でありながら個別のサポートもしています。きっとお子さんの成長を感じていただけると思います。

  

PROFILE

並木 大

マーチャンダイザー(コンテンツ責任者)
現在は発達段階に合わせた学年別カリュキュラムなどの開発に携わる
・2014年~:ベネッセサイエンス用賀教室教室長
・2017年~:ベネッセサイエンス吉祥寺教室教室長
※2021年~ ベネッセサイエンス用賀教室兼務
・2023年~:現職

※サービス内容、役職・部署名など掲載内容は取材当時のものです。

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